2022年11月14日に「MoT TechTalk #14 タクシーアプリ『GO』の施策検証、因果推論が解決します」(connpass)を開催しました。
本記事では当日の内容を簡単に紹介します。
スライドはこちらです。記事の最後にアーカイブ動画も掲載しているので、そちらもぜひご覧ください!
MoT TechTalkは、Mobility Technologiesのエンジニアたちが、タクシーアプリGOをはじめとしたサービスやプロダクトを開発する中で得た技術的ナレッジを共有するイベントです。
14回目となる今回は、タクシーアプリ『GO』の事業成長を支えるために、AI技術開発部分析グループのデータアナリストがどのようにビジネス課題を分析に落とし込み、データから「なぜそうなるか?」を分析して、ビジネスの意思決定を加速させているかについて紹介しました。
またこちらのツイートのスレッドで当日の様子や雰囲気を感じていただけると思います。
MoT TechTalk #14 「タクシーアプリ『GO』の施策検証、因果推論が解決します」 はじまります!
— GO Inc. dev | タクシーアプリ『GO』 (@goinc_techtalk) November 14, 2022
配信URL: https://t.co/iAtaroNhHf
イベントページ: https://t.co/StDVweF8Yx#mot_tech_talk
今回はこちらのメンバーが登壇しました。
今回登壇したデータアナリストのメンバーは、AI技術開発部分析グループというチームに所属しています。このチームではタクシーアプリ「GO」の事業戦略上の意思決定を支援するための分析業務を担っています。
このパートでは分析グループの業務領域を紹介するとともに、どのような課題を扱っているか、またデータを分析する立場としての仕事の面白さについて紹介しました。
このパートでは過去実際に取り組んだ事例をベースに仮説構築からデータ収集・分析の一連の流れと、後述するシチュエーションにおける工夫として、傾向スコアを用いたIPWによって偏りを調整する手法を紹介しました。
■分析したい課題 はじめてタクシーアプリ「GO」を利用した際に優先パスを提示されたユーザーの継続率に与える影響が知りたい。(タクシーアプリ「GO」では、混雑時間帯などにより周辺のタクシー車両に空車がない場合、アプリがユーザーに代わり周辺の車両に空きが出るまで探車を続け、空車が発生次第、車両を手配する優先パスという有償のオプションを提供している)
■分析上の懸念 はじめて利用した際に優先パスが提示されたユーザーのグループと、そうでないユーザーのグループの離脱率を比較したいが、それぞれのユーザーの利用シーン(プライベートだったのかビジネス用途だったのかなど)やデモグラなどに偏りが起きる状況も想定されるため、両者を単純比較はできない難しさがある。
本パートに対しては、A/Bテストとの使い分けや、因果効果の推定に当たって必要な前提条件や仮定はどのように整理したのかなど、質問を多くいただきました。記事の最後に紹介しているアーカイブ動画の中では、それらの質問にもお答えしていますのでぜひ視聴いただければと思います。
こちらのパートでは先ほどとは別の事例を取り上げました。こちらでも仮説構築からデータ収集・分析の一連の流れを、そして後述するシチュエーションにおける工夫として用いることができるCATE推定の考え方とその手段としてCausal Forestを紹介しました。
■分析したい課題 タクシーアプリ「GO」を使ったタクシー利用時に乗車距離に応じた航空マイルを進呈する航空マイル連携施策について、その効果(利用回数の変化)を推定したい。
■分析上の懸念 航空マイル連携するしないを無作為に割り当てることができないため、A/Bテストは実施できない。また性別や年齢、普段の利用回数などによって施策自体の効果に差がでることも考えられるので、連携済みユーザーと未連携ユーザーの利用回数を単純比較することもできない。
このパートでも、紹介した分析の流れやCausal Forestに対してより深掘りした質問や、データアナリストが1つの案件の分析業務に取り組む期間など、多くの質問をいただきました。ありがとうございました。より深く知りたいという方はぜひアーカイブ動画もご覧ください。
MoT Online Tech Talk は不定期開催しています。過去の開催レポートは こちら にもありますので、ぜひご覧ください!
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またAI技術開発部分析グループのお仕事をもっと良く知りたいという方は2021年に開催した「MoT TechTalk #9 タクシーアプリのビジネスデータ分析」もご覧いただければと思います。