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KDD2020にオンライン参加しました

AI学会論文
November 20, 2020

はじめに

 2020/08/23~2020/08/27 にかけて開催されたKDD2020(The 26th ACM SIGKDD Conference on Knowledge Discovery and Data Mining)に佐藤と島越が参加しました。KDD は機械学習やデータマイニングに関するトップカンファレンスの1つであり、Mobility に関する手法も数多く提案されています。今回KDD2020 はCOVID-19 の影響もありオンラインでの開催となりました。

 本記事ではKDD2020 で佐藤・島越がそれぞれ興味を持った論文を紹介させていただきます。記事内では簡単に概要を説明させていただき、より詳細な内容は Mobility Technologies と DeNA が合同で行っている技術共有会のスライドをご参照頂ければと思います。


論文紹介

 以下のMobility やそれにまつわる周辺技術に関する論文を紹介いたします。

佐藤担当

 佐藤からは、主にETA に関する論文を紹介いたします。

 ETA(Estimated Time Arrival)は始点と終点、またその経路から到着時間を予測する問題のことで、様々なアプリケーションで用いられる主要技術です。ETA に関する以下の最新手法3件を紹介いたします。

 1報目はETA の精度向上のためにHeterogeneous Network を有効に扱うネットワークを提案しています。また2,3報目はどちらも精度と高速な推論を両立するためのETA のフレームワークを提案しています。

 またPOI補完に関しての論文を紹介します。こちらの論文ではBaidu の地図アプリにおいて、ユーザーの入力した文字から検索したい地名や建物名などを補完する最新手法についての論文です。

島越担当

 島越からは、主にMobility関連で発表された論文についていくつか紹介させていただきます。

 まず一報目は、タクシーの軌跡データからSiameseNetの構造を用いて、運転している人物を同定するHuMID問題に対して取り組んだ論文です。危険運転の検知や普段と異なる運転行動をした際の検知などへの応用が考えられます。

 二報目は、道路ネットワークから階層構造を利用した上で表現学習を行うHierarchical Road Network Representation(HRNR)を提案した論文です。従来手法とは異なり、ネットワーク構造だけでなく人の行動軌跡データを用いることで、その場所の機能的な役割も考慮したEmbeddingを獲得することができます。複数のdownstreamタスクで従来手法より優れた結果を残しました。

 三報目は、ライドシェアリングサービスにおけるオンラインの二部グラフマッチング問題に対して取り組んだ論文です。理論的・実験的にその有効性を示し、効率的なマッチングを実現しました。

 最後は、DiDiにおけるチームコンペティションに関する論文です。DiDiのプラットフォームでは、乗務員さん同士でチームを組んで期間中の営収を競うといったコンペティションが定期的に開催されています (平均で営収が22%upするそう)。この論文では、今まで開催してきたコンペティションのデータから、「どのようなコンペ設計やチーム設計が良かったのか」を様々な角度から分析しています。

まとめ

 本記事ではKDD2020 への参加報告と論文紹介をさせていただきました。Mobility に直接関係する最新技術に関する知見を得ることができました。

 最後になりましたが、Mobility Technologies では Data Scientist / Data Analyst を募集しています。大規模多様なデータを扱い、プロダクトに大きなインパクトを与えられるだけでなく、確かな技術力を持ったメンバーとともに切磋琢磨できるポジションなので、ご興味のある方は是非ご応募を検討していただけると幸いです!

採用ページはこちら >>> https://hrmos.co/pages/mo-t/jobs