JapanTaxiでは1年弱前からPLAID社の提供するCXプラットフォーム「KARTE for App」の導入・運用を開始して、各種施策・効果検証に活用しています。
運用開始してまだまだ活用余地が残っているところではありますが、ありがたいことにMarkeZineにも取り上げていただく程には活用できてきたかなという感じです。
今回は運用する中で、エンジニアと協働して効果につながった施策も出てきたので、導入時の背景からどのようにエンジニアが活用するに至ったかまでの経緯を、実際の活用事例も踏まえてご紹介できればと思います。
※今回の記事では、KARTEに関する基本的なサービス説明は割愛させていただきます。公式サイトをご参照ください。
もともと『JapanTaxi』アプリではアプリ内接客ツールを利用していましたが、「アプリから収集されるリアルタイムな情報をもとにしたコミュニケーション施策が打てなかった」ことが一番の背景でした。
「タクシーを呼ぶ」という行為の背景には、人により様々な理由があります。タクシーへ乗る方は都心のビジネスマンもいれば、子育て中のママさん、あるいは病院通いのシニア層などもいます。それに加え、時間帯や地域によっても大きく異なります。
このように非常に多岐にわたるユーザーのニーズや、その瞬間の”モーメント”を的確に捉え、迅速かつ適切にコミュニケーションが取ることが重要であると考えたとき、親和性が高かったのが「KARTE for App」でした。
このサービスを通じて収集されるユーザー軸の属性情報や行動ログなどのデータを組み合わせて、最適なダイアログ・Push通知などでコミュニケーションを取ることができます。
もちろん自社でそのような機能を内製することも検討はできましたが、KARTEでは既にテンプレートが十分に用意されていたり、分かりやすいGUIが提供されているので、都度エンジニア・デザイナーに依頼することなく、企画者側のみで施策準備〜A/Bテストの効果検証まで完結することができるのも魅力的でした。
上記でご説明の通り、本来はマーケ・企画サイドで開発工数をかけずに様々な施策を試せることが強みのサービスではありますが、JapanTaxiではエンジニアも積極的に活用しているのが特徴的な運用スタイルです。
そのような運用に至った経緯に以下の要因があります。
KARTEでは豊富な機能がありますが、中でも開発フレンドリーな機能として「イベントのリアルタイム収集」「設定値配信」の2つの側面があります。
アプリ上でのユーザーの操作・入力情報や、アプリの起動場所の緯度経度など各種ユーザー情報・行動ログがリアルタイムで計測・分析されているため、その情報を活用したインタラクティブな施策・設定が可能です。
また「設定値配信」というネイティブアプリ側の要素をKARTEの管理画面上から変数として設定できる機能が備わっています。これによりネイティブアプリのアップデートをかけることなく、コミュニケーション設計を柔軟に構築することが可能になります。
本来はユーザーセグメントごとに設定値配信でバナーを出し分ける、などの事例があるようですが、JapanTaxiでは少々ユニークな使い方をしています。(詳細は後述)
開発部では日々いろんな開発案件に取り組んでいます。その案件の中には、例えばマーケティング部で推進するプロモーション施策のために、アプリ内で追加実装が必要となることも多々あります。
マーケティング部に所属する身としては非常にありがたいと感じる一方、アプリディレクターという役割として、またいち個人の思いとしてもエンジニアにはアプリのコア機能の開発に集中してもらい、よりよい移動体験の創出のために力を注いでもらいたいと考えています。(もちろんマーケティング部の施策を否定するわけではありません)
そのため、マーケティング施策を検討する際にすべてを開発に委ねるのではなく、開発に依らないあるいは開発する場合も将来的な負債となりにくい形で実現したいと思っています。
たとえ上述のような考えを思っていたとしても、開発側でマーケ系ツールがなかなか理解を得られなかったり浸透しにくいこともあると思います。
その点JapanTaxiの場合、前職でKARTEの実装・運用経験が豊富なエンジニアや、マーケ系ツールの仕様に詳しくかつ理解もあるエンジニアが周りにいたことは非常に幸運でした。
「KARTEのこの機能を組み合わせて、こういう実装をしたいんだけど」と自主的に仕様をキャッチアップし、新規機能の開発相談をもらったときは非常に驚きました。。!
このような経緯を経て、エンジニアと連携しながらKARTEを活用した施策が次々と生まれていきました。今回はその中から2つの施策をご紹介します。
今回ご紹介した施策のポイントとしては、いずれも「汎用的な仕組みにしている」ことと考えています。施策の都度、開発に依頼するとオペレーションの負荷にもつながり、結果としてよりよいユーザー体験を提供するための本質的な機能開発に割く工数が削がれてしまいます。
そこをKARTEをうまく組み合わせながら、部署で対立することなく活用していくことができてきたのはよい循環だなと思います。
今後もKARTEの機能を上手に使い分けながら各種施策にどんどん使い倒していきたいと思います。「うちはこんな使い方してる!」という人いればどしどしコメントください!
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