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Data Science @ GO

AI
August 02, 2021

AI技術開発部アルゴリズムグループマネージャーの織田です。アルゴリズムグループは、配車アプリ「GO」におけるデータ分析や、機械学習システムの開発・運用を行なっているチームです。本記事では、私たちがチームとして実践している「GO」のデータサイエンスの魅力を紹介したいと思います。

  • 「現在」の都市社会に大きなインパクトを与えられる
  • チャレンジングな技術課題がある
  • 企画から開発まで幅広いスキルを発揮・学習できる
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「現在」の都市社会に大きなインパクトを与えられる

モビリティの「未来」を創る取り組みはOEMをはじめとする多くの企業が行なっています。世界各地でMaaSや自動運転をはじめとする数多くの検証が行われており、MoTでも5Gを活用した自動運転の実証実験など積極的に未来のモビリティ事業に投資・推進しています。

このような抜本的なモビリティの改革ももちろん重要ですが、MoTは、より身近なモビリティのアップデートをデータサイエンスの力を駆使して日々行なっています。

MoTはタクシー配車アプリGOをはじめとする多様なアプリケーションを展開しており、日本最大のタクシープラットフォームです。国内のタクシー台数の約半数をネットワークし、最適化することで与えられる社会への(良い)インパクトは非常に大きいです。

例えば、2020年11月にローンチした、「AI予約」では、これまでマニュアルで予約受け入れ数や配車タイミングなどを設定していたタクシー予約を、データに基づいた予測システムに置き換えました。これにより、より多くのリクエストを受け入れ、かつタクシー車両・乗務員の拘束時間の削減を実現でき、利用者にとってもより便利で、効率的なサービスを提供することができました。

このように、私たちは、データサイエンスを軸とした、新しいモビリティサービスの展開や、交通の最適化に関するプロジェクトの社会実装を行なっており、現在のリアル都市社会に大きなインパクトを与えられる貴重な場になっていると思います。

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チャレンジングな技術的課題がある

MoTでしか体験できない重要かつ技術的に面白い問題が数多く存在します。

私たちが日々取り組んでいる課題は、決まりきったパターンのようなものは少なく、ユニークな問題設定となっていることが多いです。問題にあった適切な技術を選ばないとパフォーマンスが不十分だったり、無駄に複雑なものを運用しなければならなくなったりします。新しく未経験の問題であれば、「適切な技術があったのに知らなかった」ことがないように、論文調査や学習にも時間をかけ、費用対効果が高いソリューションを探します。

現在運用しているAIプロダクトとアルゴリズムの例として、次のようなものがあります。

  • ETA(移動時間予測): 経路探索、分位点回帰、LGBM
  • マップマッチング: 隠れマルコフモデル
  • AI予約: 統計モデリング、勾配ブースティング、トンプソンサンプリング
  • お客様探索ナビ: (逆)強化学習、均衡シミュレーション、時系列モデル
  • 効果検証: 生存時間解析、傾向スコアマッチング
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チャレンジングな問題の例として、ある道路において仮にタクシー供給が十分あった場合にタクシー利用する人がどれくらいいそうか(真のタクシー需要予測)という問題を紹介します。私たちが開発しているプロダクトの一つに、乗務員向けにタクシー利用者がいそうな経路を推薦する「お客様探索ナビ」があります。真のタクシー需要を予測することができれば、ナビでより効率的に利用者を見つけられるようになります。通常、データとして観測できるタクシー需要はGOプラットフォームに加入している車両で発生した乗車イベントだけです。もちろん、GOに加入していないタクシー事業者もいますし、タクシー車両が見つからずに諦めてしまった利用者も存在することから、真のタクシー需要については正解データがありません。

この例のように正解データがない場合など、単純に機械学習モデルや人気のあるフレームワークを適応するだけでは解くことができない問題に対して、自分の頭で考えて、創造的にアプローチするプロセスにとてもやりがいを感じています。

企画から開発まで幅広いスキルを発揮・学習できる

データサイエンティストの職場は、企業によって文化や責務もさまざまだと思います。A/Bテスト・効果検証をはじめとするビジネス分析に特化していたり、推薦システムのアルゴリズムやモデリングの開発・研究にフォーカスしていたり。

私たちのチームでは、幅広いスキルセット、特に、データサイエンティストに求められる3つのスキルを職務の中で遺憾なく発揮しています。

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     出典:一般社団法人データサイエンティスト協会

メンバー一人一人が自律的にプロジェクトを主導し、分析・AIプロジェクトの企画提案・分析から設計・開発・運用までを一気通貫で行なっています。

企画・提案

  • 多くのプロジェクトでは「GO」や「お客様探索ナビ」のビジネス上の課題や機能要望からスタートします
  • 非常に抽象的な課題から始めることも多いです(例:AI予約の利用数を伸ばしたい)
  • 企画・分析・手法提案を行い、事業担当者やプロダクトマネージャーと連携しながら「何をするか」を決めていきます

プロトタイピング・設計

  • EDAやプロトタイピングを行いながら必要となる機能や適切なアルゴリズムを見極めます
  • 長期運用を前提とした本番サービスに組み込む際のアーキテクチャーをこの時点でイメージしながら、技術的な意思決定をします
  • 積極的に新しいクラウドサービスや機能を活用して、より低コストで保守性の高いシステムを検討します
  • 分析結果についてはチーム内でディスカッションやレビューを重ねながら、品質を高めています

開発・リリース

  • 関係者と想定されるアルゴリズムのパフォーマンスや大枠のアーキテクチャの合意が取れたら、本開発に移ります
  • プロジェクトによって最終的な「プロダクト」の形は異なりますが、パッケージ、API、ワークフローのいずれかになることが多いです
  • モジュール化や、インターフェースと実装の分離などのコーディングにおけるベストプラクティスを実践しながら、チーム開発を行なっています
  • CI / CD、MLモデル自動更新、KPI評価のためのロギング、API負荷試験など本番運用に向けた準備を、MLエンジニアやサーバサイドエンジニア、SREと連携しながら進めます

リリース後分析・運用

  • KPIやA/Bテストの分析・評価を行い、想定通りの効果が出ているか確認します
  • アラート・精度監視・ダッシュボードなど、構築したシステムを自分たちで運用しやすい形にアップデートを行います

このように幅広いプロセスに関わることの恩恵は、ビジネス上の課題解決や機能追加など、何かを実現したいと思ったときに、どのようにすればそれを実現できるかがわかること、そして実際にそれを自分たちで主導してできることです。

もちろん、プロジェクトを主導するにあたっては高いレベルの責任が求められます。企画、アルゴリズム、エンジニアリング全ての選択において、ある程度の責任が伴います。

しかし、だからこそ大きなやりがいを感じられる仕事だと思います。

終わりに

MoTのデータサイエンスはとても楽しいです!

それぞれメンバーの強み(サ道に入門した人がいたり、リングフィットアドベンチャー3周目クリアしようとしている人がいたり...)が違うので、チームで学び合いながら楽しくやっています。

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